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ホルモン 生活環境

女性の平均的な腹囲とは?年齢層別の目安やメタボの基準、内臓脂肪との関係を解説

「女性の平均的な腹囲は何cm?」「40代になるとどれくらいが目安?」「腹囲が大きいとメタボになるの?」などの疑問を持つ方もいるでしょう。
女性の腹囲は年齢によって傾向が異なり、平均的なサイズの目安を知ることで、自身の体型や健康状態を客観的に確認できます。また、腹囲は内臓脂肪の蓄積状況を把握するための指標の一つであり、メタボリックシンドロームや肥満症とも関係しています。
この記事では、日本人女性の年齢層別の腹囲の目安やメタボリックシンドロームの基準値、腹囲が増加する原因、適正に保つための方法についてわかりやすく解説します。

difference between obesity and obesity

女性の平均的な腹囲はどのくらい?

「腹囲(ウエスト周囲長)」と「ウエスト」の違い

「腹囲」と「ウエスト」は、どちらも同じ意味だと思われがちですが、実際は異なります。特に健康診断での測定やメタボリックシンドロームなどの判定の際には、「どの位置で測るか」が重要です。
まず、一般的によく使われている「ウエスト」は、胴回りの最も細くくびれた部分を指します。その周囲を測った「ウエストサイズ」が、衣類のサイズ選びなどで使われています。

一方で、医学的に用いられる「ウエスト周囲長」は、へその高さで測定した周囲長を意味し、「腹囲」とも呼ばれています1。ウエスト周囲長や腹囲は通常、ウエストサイズよりも大きな値になります。
健康診断やメタボリックシンドロームなどの判定で用いられるのは、最も細い部分のサイズではなく、へその高さで測定した腹囲です。まずはこの違いを知っておきましょう。

 

 

腹囲の正しい測り方

腹囲を正しく測るには、測定する位置、姿勢、タイミングが大切です。

まず、測定する位置は一般的な「ウエスト」と呼ばれる腰のくびれた部分ではなく、へその高さで測ります。姿勢は、両足をそろえて立ち、両腕は下げ、腹部の力を抜いた状態とします。タイミングは、空腹時に深呼吸ではない通常の呼吸をして、息を吐き終わった瞬間です1。
また、測定には伸び縮みしない素材でできた、目盛が1mm単位のメジャーを使い、メジャーが前後に傾いたりしないように腹部に巻いて測ります。その際に、力を入れすぎてメジャーがお腹に食い込まないように注意します1。

 

 

【年齢層別】女性の平均的な腹囲の目安

それでは、日本人女性の腹囲はどのくらいなのでしょうか。
ここでは厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査報告」にある、年齢層別の腹囲の分布を紹介します2。

以下の表に示すように、20代では65~70cm、30代では70~75cm、40代以降は75~80cmの人が最も多いことがわかります。また、年齢を重ねた人ほど腹囲が大きいという傾向も見て取れます。

20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳
60cm 未満 2.3% 1.4% 1.4% 0.7% 0.9%
60~65cm 20.3% 10.3% 5.2% 4.7% 1.9%
65~70cm 27.0% 14.4% 15.1% 11.5% 7.2%
70~75cm 22.7% 26.1% 19.8% 16.4% 15.3%
75~80cm 14.1% 19.2% 20.4% 21.3% 21.0%
80~85cm 5.6% 13.2% 15.1% 16.0% 16.8%
85~90cm 2.8% 6.2% 10.6% 13.3% 17.0%
90~95cm 1.3% 4.6% 5.5% 7.7% 9.2%
95~100cm 0.1% 1.8% 3.7% 5.3% 5.1%
100~105cm 0.3% 1.0% 0.6% 1.2% 3.2%
105~110cm 0.2% 0.8% 1.2% 1.4% 0.9%
110~115cm 1.5% 0.1% 0.8% 0.3% 0.9%
115~120cm 0.9% 0.2% 0.3% - 0.6%
120cm 以上 0.6% - 0.1% 0.3% 0.1%

※厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査報告」をもとに作成(妊婦は除外されている)
※「−」は該当なし
※太字は各年齢層におけるサイズ帯トップ3

 

 

女性におけるメタボリックシンドロームの腹囲の基準値

腹囲が大きすぎる場合、健康に支障が生じやすい「内臓脂肪型肥満」に該当することがあります。

女性の場合は腹囲が90cm以上であることが、内臓脂肪型肥満と判定する基準値です。この腹囲90cmという値は、日本人女性において内臓脂肪面積が100cm²であることに相当する値として設定されました3。
「内臓脂肪面積が100cm²以上」が内臓脂肪型肥満とされる理由は、100cm²以上の場合に、高血糖や脂質異常、高血圧などの健康障害が増えやすくなることが、日本人を対象とする研究から明らかになっているからです3。

そして、腹囲が90cm以上であり、実際に血圧や血糖値が高くなっていたり、血清脂質の異常(中性脂肪が高い、またはHDL〈善玉〉コレステロールが低い)などが起きている場合には、「メタボリックシンドローム」と判定されます。メタボリックシンドロームは、動脈硬化の進行速度が速く、将来的に心筋梗塞や脳梗塞などが起こるリスクを高めてしまう状態です3。

腹囲を測定する目的は?

腹囲を測る目的は、内臓脂肪の蓄積量を推定するため

腹囲を測る目的は、健康障害を引き起こす内臓脂肪の過剰な蓄積が起きていないかどうかを医学的に推定するためです1。
日本人女性では、腹囲90cm以上が内臓脂肪の過剰な蓄積、つまり内臓脂肪型肥満を判定する基準です。なお、日本人男性の腹囲の基準値は85cmです3。

 

 

内臓脂肪、皮下脂肪、中性脂肪の違い

体に蓄積する脂肪には、大きく分けて内臓脂肪と皮下脂肪があり、また、中性脂肪という用語も使われています。それらの違いについて解説します。
 

・内臓脂肪

内臓脂肪は、お腹の中の内臓の周囲に蓄積している脂肪です。この内臓脂肪が過剰に蓄積すると、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの疾患やメタボリックシンドロームのリスクが高くなってきます3。
臓脂肪は、皮下脂肪に比べて食事や運動などの生活習慣の変化に反応しやすいという特徴があります4。つまり、適切な取り組みによって、比較的減らしやすい脂肪とされています。
 

・皮下脂肪

皮下脂肪は、皮膚の下に蓄積している脂肪です。お尻や太ももなどにつきやすく、男性よりも女性に多い傾向があります4。
皮下脂肪は、内臓脂肪に比べると糖尿病や脂質異常症、高血圧などとの関連は小さいものの、過剰に蓄積した場合、体重増加や膝・腰への負担につながることがあります。また、内臓脂肪よりもゆっくりと増減することも特徴です4。
 

・中性脂肪

中性脂肪とは、体内でエネルギーを蓄えるための脂肪成分です。内臓脂肪や皮下脂肪の成分も、多くは中性脂肪です5,6。
なお、中性脂肪は、血液検査の「血清脂質値(血液中の脂肪成分の濃さ)」にも、項目として含まれています。血清脂質には、中性脂肪(トリグリセライド)やコレステロールなどがあり、内臓脂肪が過剰に蓄積すると、中性脂肪値が高くなりやすくなります3。

 

 

女性の腹囲の方が基準値が緩いのはなぜ?

腹囲の基準値は、内臓脂肪の過剰な蓄積に伴い健康障害が増加する「内臓脂肪面積100cm²」に相当する値として設定されていて、男性では85cm、女性では90cmです3。
女性の基準値が男性よりも大きい理由は、一般的に女性は男性よりも皮下脂肪が多く、同じ腹囲でも内臓脂肪量が少ない傾向があるからです7。

 

 

内臓脂肪とさまざまな健康障害の関係

内臓脂肪型肥満では、さまざまな健康障害が起こりやすくなります。代表的なものとしては、2型糖尿病※、脂質異常症、高血圧などが挙げられます3。そして、これらの病気はいずれも動脈硬化の進行を速め、心筋梗塞などの命にかかわる病気を引き起こすことがあります。
また、血糖値や血圧、血清脂質の異常の程度が軽度であり、それぞれの病気の診断基準には該当しない場合も、内臓脂肪型肥満に伴ってそれらが重複して起きていると、メタボリックシンドロームに該当します。そして、メタボリックシンドロームもまた、動脈硬化の進行を速める状態です3。

※2型糖尿病:遺伝的背景や加齢、生活習慣などが関与して発症するタイプの糖尿病。日本人の糖尿病患者の大半を占めている。

腹囲が増加する主な理由

腹囲の増加は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る状態が続いているために、余ったエネルギーが内臓脂肪として蓄えられる結果として生じると考えられます。このようにエネルギーのバランスがプラスになる主な理由として、以下のようなことが挙げられます。

 

 

食習慣の乱れ

食べる量が多すぎること8,9、あるいは、栄養バランスの偏り(例えば糖質の割合が高すぎること10-13)、または早食い14,15や朝食欠食16-18などの食習慣、および脂っこいものを好むこと19などは、体重増加や肥満につながりやすいことが報告されています。

 

 

運動不足

日常生活での身体活動量が多いほど肥満のリスクが低く20-24、座位行動(座った状態)の時間が長いほど25-29、体脂肪が増加しやすいことが知られています。
反対に、習慣的な運動と適切な食事摂取を並行して行うことが、肥満の予防効果を高める30,31こともわかっています。

 

 

加齢

加齢とともに身体活動量が減りがちなことや、安静時のエネルギー消費量も低下してくることから、体脂肪が蓄積されやすくなります32-40。
また、女性の場合は閉経とともに、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が低下してくると、内臓脂肪が蓄積されやすくなることも知られています41,42。

腹囲を適正に保つためにできること

食事をしている女性

腹囲の増加には、内臓脂肪の蓄積が深く関係しています。そして、内臓脂肪型肥満は、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの疾患やメタボリックシンドロームのリスクに関連してきます。それらのリスクを抑えるためにも、日頃からの体重管理が大切です。
腹囲を適正に保つための基本となる、食事や運動のポイントを見ていきましょう。

 

 

適切な食事管理

体重や内臓脂肪を減らすうえで、まずは食事療法が基本となります43。
 

・栄養バランスの取れた食事を取る

主要栄養素(エネルギー産生栄養素)のバランスは、炭水化物50~65%、たんぱく質13~20%、脂質20~30%を目安とすることが一般的です44。なお、人によっては、短期間であれば糖質(炭水化物)の比率を減らすという方法が、体重減少に有効なこともあります45。
 

・消費エネルギーよりも摂取エネルギーを少なくする

摂取エネルギー量を制限することは、減量の手段として最も有効で確立された方法です45-47。消費エネルギー量が摂取エネルギー量を上回ると、体重が減少していきます48。

 

 

有酸素運動

有酸素運動とは、体内の糖や脂肪を酸素とともに利用してエネルギーを消費する運動のことです。具体的には、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳など、ある程度の時間をかけて連続して行う運動が該当します49。
体重や内臓脂肪を減らすには、エネルギー消費量を増やすことが大切なため、このような有酸素運動を習慣的に続けることが勧められます50。

 

 

筋力トレーニング

筋力トレーニング(筋トレ)は、負荷をかけて筋力を向上させるための運動です。具体的には、自分の体重を負荷として利用する腕立て伏せやスクワット、マシンなどを利用するウエイトトレーニングなどが該当します51。
減量を食事療法のみで行うと、体脂肪だけでなく筋肉も減ってしまいがちなのですが、このような筋力トレーニングを並行して続けることで、それを抑制できます52,53。

腹囲が気になる場合は「肥満症」についても知っておこう

肥満症とは

「肥満」と「肥満症」は同じ意味ではありません。
肥満とは、体に脂肪が過剰に蓄積した状態のことです。日本ではBMI(体重kg÷身長m÷身長m)が25以上の場合に、肥満と判定されます1。
一方、肥満症とは、肥満と判定される状態であり、かつ肥満によって健康障害が起きている場合や、健康障害のリスクが高い場合に診断される病気です。肥満症であれば、健康障害の予防や改善のために治療が必要となります54。

 

 

肥満症と腹囲の関係

肥満症は、BMI25以上の肥満であることを前提として診断されます1。一方、腹囲は内臓脂肪の蓄積状況を把握するための指標であり、女性の場合は腹囲90cm以上の場合に、内臓脂肪型肥満が疑われます55。
そして、内臓脂肪型肥満には、BMIが25未満でも該当することがあります56。そのため、BMIだけでなく腹囲も確認することが大切です。内臓脂肪が過剰に蓄積していると、高血糖や脂質異常症、高血圧などの健康障害が起こりやすくなるため、注意が欠かせません。

 

 

肥満症の治療法

肥満症の治療の目的は、肥満に伴う健康障害の改善や予防です57。そのためには、体重を減らし、過剰に蓄積した脂肪を減らすことが重要です。
治療の基本は食事療法と運動療法で、必要に応じて薬物療法58や外科療法59が検討されます。
 

・食事療法

食事療法は肥満症治療の基本です43。肥満の改善には、摂取エネルギー量を消費エネルギー量より少なくし、体に蓄積した脂肪をエネルギーとして利用する状態をつくる必要があります45-48。
肥満症治療のための食事療法では、適切な摂取エネルギー量の設定に加え、栄養バランスの整った食事も重要です。一般的には、炭水化物50~65%、たんぱく質13~20%、脂質20~30%を目安とし、ビタミンやミネラルも不足しないよう心がけます44。

ただし、摂取エネルギー量や栄養素のバランスは、個々の病状や体格によって適切な値が異なるため、医療機関では目標体重や健康状態に応じて食事計画が作成され、それに沿って治療や栄養指導が進められます43。
 

・運動療法

運動療法も肥満症治療の重要な柱です。肥満症に伴うことが多い、高血糖や高血圧、脂質異常の改善に、運動が役立ちます60-68。また、運動量が多いほど体重が減りやすいことも報告されています69。
運動の種類としては、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動に加え、筋力トレーニングを組み合わせることが推奨されています50。また、長時間座り続けるのを避けることも大切です50。座ったままの作業が続くときにはこまめに立ち上がり、ストレッチなどをすると良いでしょう。
なお、肥満に伴う健康障害やその他の病気がある場合には、運動を始める前に医師へ相談し、無理のない範囲で行ってください70。
 

・薬物療法

食事療法や運動療法だけでは十分な効果が得られない場合は、薬物療法が検討されます58。薬物療法としては近年、主にGLP-1受容体作動薬と呼ばれるタイプの薬が、食事・運動療法と併せて用いる肥満症治療薬として処方されています58。
治療に際してどの薬を使用するかは、体格や合併症の有無などを踏まえて、医師が判断します。
 

・外科療法

食事療法・運動療法・薬物療法を行っても十分に状態が改善しない場合や、高度肥満症の場合、外科療法(減量・代謝改善手術)が検討されることがあります71。これは、胃の一部を切除することで胃の容量を小さくしたり、消化管の構造を一部変更して栄養素の吸収を抑えたりすることで、体重減少や代謝改善を目指すという治療法です。
外科療法は高い減量効果が期待できますが、手術後にも継続的な通院と適切な食事・運動療法が欠かせません。

肥満症が気になる場合は、医療機関を受診しましょう

女性で腹囲が90cm以上の場合は内臓脂肪型肥満と考えられ、かつBMI25以上であれば肥満症に該当します。肥満症は肥満とは異なります。単に体重が大きいというだけでなく、それに伴う健康状態の悪化が心配される病気です。
今は何の症状もないとしても、血管や心臓、膵臓、肝臓などの臓器に負担が溜まっていきます。気づいた時には取り返しのつかない事態になっていたり、時には突然、命の危険にさらされたりすることも。対策を先延ばしせずに、早めに医療機関を受診しましょう。

参照資料
 
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  7. 肥満・肥満症の生活習慣改善指導ハンドブック 2022, p8
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  70. 肥満症診療ガイドライン 2022, p63
  71. 肥満症診療ガイドライン 2022, p73

よくある質問

QQ 女性の腹囲は何cmから注意した方がよいですか?


女性の場合、腹囲90cm以上が一つの目安です。
特定健診(メタボ健診)では、女性の腹囲90cm以上を内臓脂肪型肥満の基準としています。さらに、血糖値や血圧、中性脂肪などに異常がある場合は、メタボリックシンドロームと判定されることがあります。

なお、腹囲が90cm未満であっても、年齢とともに内臓脂肪は増えやすくなるため、健康診断の結果や生活習慣もあわせて確認することが大切です。

Q腹囲が大きいと必ず肥満症に当てはまりますか?


腹囲が大きいだけでは肥満症とは診断されません。
肥満症は、BMI25以上の肥満があり、肥満に伴う健康障害がある場合や、そのリスクが高い場合に診断されます。

一方、女性で腹囲90cm以上(男性は85cm以上)の場合は、内臓脂肪型肥満の可能性があります。BMIが25未満で肥満症に該当しなくても、内臓脂肪が過剰に蓄積していると、高血糖や脂質異常症、高血圧などのリスクが高まることがあります。
そのため、体重やBMIだけでなく、腹囲やその他の健康診断の項目もあわせて確認することが大切です。

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